歯周病治療
歯周病治療で大切にしていること
患者様ご自身で維持できるように
歯周病は、お口の中の歯周病菌が引き起こす病気です。歯周病菌は常在菌としてずっと口腔内に存在し続けるため、一度かかると治ることはありません。そのため歯周病の治療は、口内環境を改善しながらの現状維持が目標となります。
治療後は当院で定期的な管理を行い、患者様には日々のホームケアを続けていただきます。当院では、患者様がご自身で状態を維持できるように、丁寧なブラッシング指導を行っています。
清潔さを保ちやすい歯にする治療
当院では、患者様のセルフケアの効果を高め、歯周病の悪化を防ぐために、清潔さを保ちやすいお口に整える治療をご提案しています。
清掃性の低いブリッジでの治療を避けたり、汚れが付着しにくい材料・設計のかぶせ物の提案などを行っております。
保険診療による定期的な管理
当院は、2016年4月1日に厚生労働省から「口腔機能管理強化認定歯科診療所」に認定され、従来は自費診療で行うしかなかったいくつかの予防歯科メニューを保険適用でご提供できるようになりました。
その一つが、「歯周病安定期治療(SPT)」です。歯周病安定期治療とは、歯周病治療の終了後に歯科医院で定期的な清掃や歯石除去などを行い、お口の健康を保つ治療です。当院では、多くの患者様にこの治療を提供し、歯周病の悪化を防いでいます。
歯周病とは
歯周病は歯に付着した歯垢(プラーク)が原因となって起こる歯周組織の炎症です。
歯垢には数億もの細菌が棲みついており、中でも歯周病原因菌が出す毒素が歯肉に炎症をもたらします。
やがて歯垢は唾液中のミネラルと結合して石のように固くなり、歯石となります。
歯石の周りにはプラークが付着しやすく除去が困難であるため、歯周病原因菌がさらに増加します。
歯周病原因菌が出す毒素により周囲の歯肉が傷つけられ、歯を支える骨は溶かされます。
歯がグラグラするのはこのためで、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまいます。日本人が歯を失う原因の第1位は、むし歯ではなく歯周病です。
歯周病と全身の健康
歯周病が怖いのは、お口の中だけのトラブルにとどまらないということです。
歯周病は細菌感染によるものですが、その原因となる歯周病菌は血液にのって全身を巡り、あらゆる臓器に悪影響を与えます。
例えば、心疾患、脳梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症、低体重児出産、認知症などが、歯周病と深い関わりがあることがわかっています。
歯周病安定期治療(SPT)について
治療内容
担当の衛生士が患者様のお口の状態に合わせて治療を行います
- 歯周病の状態のチェック
- 口腔衛生指導
- PMTC(通常自費診療で行われる歯のクリーニング)
- 歯周ポケット内清掃
- スケーリング(歯の表面の歯石や細菌の塊を除去する処置)
- ルートプレーニング(歯の根に付着したセメント質を除去し、歯根表面を平らにする処置)
- 噛み合わせの調整
- 口内の記録写真撮影など
メリット
歯周病安定期治療を毎月行うことにより、歯周病の重症化を防ぐことができるほか、むし歯や口の中の異常に早く気づける、患者様ご自身が自分でお口の管理が上手にできるようになるといったメリットもあります。
費用
自己負担率3割の場合、
20本以上 | 約3,600円 |
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10~19本 | 約3,000円 |
10本未満 | 約2,400円 |
が目安となります。
※歯の本数などにより費用が変わります。
※自費診療でSPTを行った場合の費用は約10,000円~20,000円程度です。
注意事項
- 保険診療で歯周病の基本治療を終了した方のみ行うことができます。
- 保険の制度上、約2カ月に1回の治療が必要です。キャンセルなどで期間が開いてしまうと、初診扱いの治療になってしまい継続できないことがあります。
- 次回予約までの期間が開くため、次回診察日の前にご連絡させていただいております。